電力事業の仕組み

従来の電力会社と新電力会社の違いを知る前に、日本の電力事業はなにを行っているのかをまずはご紹介します。

日本の電力事業は「発電」と「送配電」、「電力小売り」の3部門に分けることができます。
発電と電力小売りは自由化となっていますが、送配電はいまだに各地域の電力会社(東京電力や関西電力)が独占している状況です。
送配電というのは、つまり電気を電線を使って各家庭や事業所に流す部門です。
こちらも今後、自由化する流れとなりますが発電や小売りほど参戦する企業は多くないでしょう。電線を使って電気を流すとなれば、日本中が今よりも電線だらけになってしまいますし、莫大な初期費用もかかります。そうなるとその費用を回収するために、電気代を値上げしたりという流れになり、そもそもの電力自由化の意味がなくなってしまうとも言われています。
また、停電のリスクも非常に大きくなります。
今は、災害が起きて停電したとしても、各地域の電力会社が復旧作業を行います。しかし、送配電を違う会社が行うとなるとその会社は停電時の復旧作業なども必要になってきます。
そのようなことから、今後も新電力会社は既存の地域電力会社に「お金(送電網の使用料)」を支払いながら電力を各家庭や事業所に届けてもらう形となります。

電気は貯めることができない?

さらに、電力事業で重要なことがあります。インフラの内で「水」と「ガス」は貯蔵できますが、電気は「溜められない」のです。
少ない電気量であれば「蓄電池」で溜められますが、大容量になると電気を溜めることは不可能です。
このようなことから、新電力会社だけでは電力事業は成り立ちません。従来の電力会社との連携が必要不可欠なのです。従来の電力会社がなければ新電力会社は存在しないとも言えるでしょう。
新電力はある一部の電気事業(発電、小売り)を行っているだけです。
ここに、従来の電力会社と新電力会社の大きな違いがあります。トータルで日本の電力事業のすべてに携わっているのは従来の電力会社のみです。東京電力、関西電力、中部電力など各地域にある会社です。

新電力会社の強み

逆に言えば、新電力会社は発電と小売りに特化できるため、様々なサービスを展開しています。
もともとある自社のサービスと抱き合わせでお客様の満足度の上がる特典を付けたりすることが可能です。
スーパーが新電力をやっている場合であれば、ポイントが倍になったり、通信会社の場合であれば、ネット回線と電気をセットで契約すれば、〇%割引になったりします。
電気料金以外の部分でも、リアルタイムで自分がどれくらいの電力量を使っているのかをアプリで確認することも可能です。もちろん、東京電力や関西電力でもこのようなサービスはありますが、より見やすく改良されていたりする場合もあります。
そのほか、最新のブロックチェーン技術を活用して自分の自宅で使っている電気はここの発電事業者からのものであるということが分かるような面白いサービスまで広がっています。

どの電力会社を選ぶかはあなた次第

従来の電力会社の電力会社の信頼感や安心感を大事にしてそのまま契約を継続してもいいですし、新電力会社の今までになかった新たなサービスを受けてみてもいいでしょう。
いずれにせよ、停電のリスクや電気の質などに違いはありません。新電力会社に切り替えたあとに停電になっても、今まで通り従来の電力会社が行ってくれます。復旧スピードも同じです。電気の質も全く同じで、照明が暗くなるなんてこともないです。
現状は、どこの会社から電気を買って、使用料を支払うかの違いという状況です。自分自身のライフスタイルに合わせた電力会社選びをオススメします。